皮膚感染症
とびひ
ブドウ球菌という細菌が原因です。小児に多く、暑い季節に起こりやすい。顔、特に鼻の周りから起こることが多く、水疱ができすぐに破れてジュクジュクし、カサブタになります。放置すると遠隔部位に「飛び火」して拡大します。治療は、抗生物質を内服します。通常の薬が効きづらい菌(耐性菌)が付いていることがあるため、あらかじめ細菌培養検査を行います。入浴は構いませんが、接触で感染するため登園、登校する場合は患部をガーゼなどで覆い隠すとよい。とびひには免疫ができないのでしばしば再発します。再発したらすぐ治療を再開しましょう。
水虫(白癬)
白癬菌(糸状菌)というカビが原因です。部位により、足白癬、手白癬、爪白癬、股部白癬(いんきん)、体部白癬(たむし。胴体、顔、四肢にできて環状になる)、頭部白癬(毛が抜けることがある。柔道、レスリングなど格闘技をしている人に多い)と分類されます。プールや銭湯など裸足になる場所で菌が付着します。親子、夫婦など家族内で感染します。外用薬または内服薬で治療をします。
カンジダ
カンジダというカビ(酵母)が原因菌です。これは健康な人の皮膚や粘膜に常在する菌で、通常は無害です。しかし、湿気、熱、抵抗力の低下などで菌が増殖すると発症します。起こりやすい部位として、皮膚がこすれ合う部位(股、首、わきの下、乳房下部など)、手の指のあいだ、爪やその周り、口の中や口角、性器などがあります。
いぼ(尋常性疣贅、扁平疣贅など)
ウイルスで発症するうつるイボです。他人にうつしたり、自分のなかでうつって数が増えたりします。どこにでも出来ますが、手足はとくに出来やすい部位です。足の裏にできるとウオノメのように固くなることがあります。早めに治療しないと治りにくくなります。
ミズイボ
白色のやや透き通った小さいイボで、しばしば多発します。時間がたつと赤くなり、痒みがでることがあります。数が少ないときは除去しますが、たくさんあるときは様子をみます(むりに除去しても再発してしまう。放置してもほとんどは1年以内に自然治癒します)。痒みがつよいときは外用薬を使用します。水ではうつりませんが、タオルやビート板での接触により感染します。
梅毒
性行為時などに皮膚や粘膜の微細な傷から病原体が感染します。
①第一期梅毒
病原体が局所にとどまっている段階。陰部などの感染部位に赤い、固いしこりができ、周囲のリンパ節が腫れます。痛みはないことがほとんどです。放置すると3週間程度で自然になおり、数か月以上たってから第二期梅毒に進行します。
②第二期梅毒
病原体が全身に広がっている段階。皮膚にわずかに手触りのある赤い斑点がたくさんできます。時に表面に白い皮のついた丸い斑点が手掌、足底にたくさんできることがあります。痒みなどの自覚症状は通常ありません。
③第三期梅毒、第四期梅毒
ここまで進行するケースはまれです。
診断と治療
症状と血液検査を合わせて診断します。内服薬で治療可能です。必要に応じ、HIVの血液検査も一緒に行います(梅毒とともに感染していることがある)。